窓に張りつく小さな影
洗濯物からただよう独特のにおい
—カメムシの季節がやってきました。
刺激しなければ害はない虫ですが
あの強烈なにおいは
ひとたび放たれると手に負えません。
今年こそ、正しい知識と早めの準備で
カメムシに振り回されない
暮らしを目指しましょう。
【カメムシが増える季節とその理由】
カメムシが活発になるのは
一般的に春から秋にかけてです。
気温が上がりはじめる5月ごろから
姿を見かけるようになり
夏の終わりから秋口にかけてが
もっとも活動が盛んな時期とされています。
冬を越すために越冬場所を求めて移動する
10月〜11月も、家の中への侵入が
増えるタイミングです。
カメムシは植物の汁を吸って生きているため
庭木や農作物が多い地域ほど
個体数が多くなります。
また、照明の光に引き寄せられる
習性があるため、夜間に窓を開けていると
室内に招き入れてしまうことも
珍しくありません。
今年の個体数は、前年夏の気温と降水量に
大きく左右されます。
猛暑や少雨の年はカメムシが
大発生しやすいといわれており
ニュースで「カメムシ注意報」が
出ている地域は例年より
早めの対策がおすすめです。
【においの正体と触ってしまったときの対処】
カメムシが放つあのにおいの正体は
トランス-2-デセナールなどの
アルデヒド化合物です。
防衛目的で腹部の臭腺から分泌され
空気中に揮発することで
強烈なにおいを放ちます。
少量でも広範囲に広がり
なかなか消えないのが厄介な点です。
もし手に臭いがついてしまったら
まず食器用洗剤でしっかり洗いましょう。
それでも残る場合は、消臭効果のある
重曹や歯磨き粉を少量手にとって
擦り込むと効果的です。
洗濯物についてしまった場合は
すぐに水洗いせずに
日陰で干してある程度揮発させてから洗うと
においが広がりにくくなります。
カメムシを素手でつかんだり
驚かせたりすると分泌が促進されます。
見つけても慌てず
できるだけ刺激しないことが第一です。
【家の中に入れない:侵入経路をふさぐ】
カメムシ対策のもっとも基本は
侵入させないことです。
彼らは非常に小さな隙間からでも
室内に入り込みます。
窓や網戸のすき間、エアコンのホース周り
換気扇、玄関ドアの下の隙間
これらすべてが侵入経路になり得ます。
ホームセンターで手に入るすき間テープや
防虫フォームを使って
気になる場所を丁寧に塞いでいきましょう。
網戸は目が細かいものに交換するか
防虫ネットを二重に張るのも効果的です。
とくに古い家の場合
サッシの劣化による隙間が多いため
シーズン前の点検を習慣に
することをおすすめします。
また夜間は、できるだけ窓を開けたまま
照明をつけないようにするだけで
室内への飛び込みを大幅に減らせます。
LEDの中でも虫が集まりにくい
「電球色」や「虫よけ仕様」の製品を
選ぶのも長期的に有効な手段です。
【洗濯物に潜む危険と予防策】
カメムシ被害でとくに多いのが
洗濯物に紛れ込んでしまうケースです。
白や明るい色の衣類、タオル、
シーツなどは特に目立ちやすいのか
カメムシが好んで止まることがあります。
気づかずに取り込んでしまい
室内に持ち込んでしまうと大変です。
最善策は洗濯物を干す際に
防虫ネットを使うことです。
洗濯物を丸ごと覆うタイプのカバーが
市販されており
においのつきにくい素材のものなら
衣類にも安心です。
また、日が落ちる前に
取り込む習慣をつけるだけで
夜間に飛来する
カメムシのリスクを下げられます。
取り込む前に軽く振り落としてから
室内に入れる、というひと手間も
シンプルですが確実な方法です。
【発見したときの正しい捕まえ方】
どれだけ対策しても、ふとした瞬間に
部屋の中でカメムシと
遭遇してしまうことはあります。
そんなとき、もっとも安全な方法は
ペットボトルを使った捕獲です。
口の広いペットボトルをカメムシに近づけ
フタを素早く閉める
—これが刺激を最小限にしながら
捕まえられる現実的な方法です。
市販のカメムシ専用粘着シートを
窓際や玄関に置いておくのも
侵入してきた個体を早期に
捕まえるのに役立ちます。
テープで包んで捨てるときも
袋を二重にしておくと安心です。
掃除機で吸い込むのは一見便利そうですが
においが掃除機内に充満して
しばらく取れなくなるため
あまりおすすめできません。
専用の捕虫器か
ペットボトル捕獲が現実的です。
【庭まわりの環境を整える】
家の周囲の環境を整えることも
長期的な対策として重要です。
カメムシは雑草や落ち葉の中に
潜んで越冬するため
庭の草刈りや落ち葉の定期的な
除去が個体数の抑制につながります。
外壁や塀に防虫スプレーを
散布する方法も広く使われています。
殺虫成分が含まれるものは効果が高い一方
ペットや子どもがいる家庭では
成分の確認が必要です。
天然成分系のミントやヒノキのスプレーも
一定の忌避効果があるとされており
環境への配慮を重視する方には
こちらが向いているかもしれません。
ミントは繁殖力が強く地植えには向きませんが
プランターでベランダに置いておくと
自然な防虫効果が期待できます。
ハーブガーデンとして楽しみながら対策できる
一石二鳥の方法です。
【においを広げずに落ち着いて暮らすために】
最後に伝えたいのは、カメムシは正しく知れば
怖い虫ではない、ということです。
毒も刺す針も持たず
驚かせなければにおいを出すこともありません。
パニックになってたたいたり投げたりすることが
かえって大惨事を招きます。
侵入を防ぐ
発見したら落ち着いて対処する
洗濯物に気をつける
—この三つを意識するだけで
日々のストレスはぐっと減ります。
カメムシも生態系の一部として
うまく距離をとりながら
共存する気持ちで向き合えると
季節の変わり目も少し穏やかに
過ごせるはずです。
今年の夏も、においに慌てず
知恵と準備で乗り越えていきましょう。
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